SEにコミュニケーション力は不要か?
私には妹がいるのですが、転職先に悩んでいるときにこんなことを言っていました。
「人と話したりする仕事はイヤだから、お兄ちゃんと同じSE(システムエンジニア)になろうかな!」
そんな妹に、兄として超有用なアドバイスをしました。
そう言う理由でSEを選ぶなら、やめた方が良いね

既にIT屋さんをしている方からすれば、「妹はん、何ゆうてはりますのん!?」となると思いますが、
世間一般では、そう言うイメージを持っている方もいらっしゃるのかなぁと思い、この記事を書くことにしました。
- これからIT業界に飛び込もうとされている方
- システムエンジニアってパソコンに向き合ってカタカタする仕事でしょ?と思っている方
- IT屋さんにコミュニケーション力が必要な理由を知りたい方
そんな方々の役に立つ記事かと思います。
システムエンジニアの仕事
これはIT業界に限った話では無く、どんな仕事でも同じですが、
(直接的なのか間接的なのかの違いはあれど)誰かを幸せする、助けになるからこそ、仕事として成り立ちます。
で無いと、対価は発生しないからです。
ある動画で、ディ○ニーのカメさん相談コーナーで、「もう仕事したくない…」と悩みを相談した方に
「君の仕事が、顔の見えない遠くの誰かを笑顔にしてるんじゃないのかい?」と言って励ましていました。
どんな仕事であれ、対価が発生していると言うことは、誰かを幸せにしていることだと私も考えています。
システムエンジニア(以下、SE)も同じです。
例えばIT企業で働く人たちは、近視眼的に見れば、パソコンで「カタカタ」しているだけかもしれないですが、
その「カタカタ」が、誰に届いているのか辿ってみましょう。
あなたのチームは顧客企業の求めるシステム、或いはサービスが提供できてハッピー!
顧客企業は自社業務の効率化、或いは提供するサービスで利用者をハッピーにできる。
そんな利益・価値を、「カタカタ」が生み出してくれるから、対価としてハッピーが還元されるわけです。
ハッピーが還元されて、自分もハッピーになれるね!

誰かのハッピーに繋ぐためにコミュニケーションは必要
見ず知らずの人に、「サプライズプレゼント」をすることを想像してみてください。
その人を喜ばせるものを適切に選べますか?
お金をあげれば良いんじゃない?

なーんて意見も出そうですが、私が受け取る側なら喜びよりも警戒心の方が勝りますね。
また、お金があっても幸せではない、なんて話はよくあります。
これが仲良しの友人に「サプライズプレゼント」をするケースならどうでしょう。
好みや、逆に既に持っていて喜ばなそうなものなどを知っていて、喜ばせる確率が上がりそうではないですか?
更に喜ばせる確率を上げる(相手が求めているものに近づける)ためには何をすれば良いでしょう?
「何が欲しい?」って聞けば良いんです。
相手を驚かせることではなく、喜ばせることが目的ですから。
例えば「新しいカバンが欲しい」と答えてくれたとしましょう。
ここで、相手が喜びそうなカバンを探しに行く(レベル2)も良しですが、まだまだ成功確率を上げられます。
「どんなカバン?」「どんな色?」「どんな素材?」そうやって相手の望むものを具体化し、
相手と自分が示すものに限りなく一致する状態に近づけることができれば、きっと喜んでもらえますよね。
これがレベル3です。
ところが、IT屋さんはもう1歩先を行く必要があるんです
(IT屋さんに限った話ではないかもだけど)

さっきの友人にプレゼントをする例で考えると、下記のようなイメージです。
友人
「新しいカバンが欲しいんだ、色は何でも良いんだけど、丈夫で大容量のやつ。
例えばほら、あの店で売ってるコレとか良いと思うんだ」
あなた
「なぜほしいと思ったの?今あるカバンだとどんな不満があるんだろう?」
友人
「保育園に子どもの送り迎えに行くからさ、水分補給のマグとか、おむつとか、
雨の日は濡れるから着替えとかも持って行く必要があってね。今のカバンじゃ小さいんだ。
多少落としたり雑に扱っても良いような、丈夫で大きいのが良い、というのはそういうワケなんだ」
あなた
「なるほど、だったらあのカバンではなくて、リュックサックの方がより良いと思うよ。
両手が空くから、子どもたちと手を繋いで歩けるし、もちろん丈夫で大容量という条件も満たせるよ」
お友達の目的は、「子どもの送迎で使いたい」だから
両手空いた方がもっと良いよ!と経験・知識で、より良いプレゼントを提案できたね!

要件ヒアリングの重要性
SEの仕事に話を戻すと、こういう工程が受注前の企画/提案段階、さらに受注後の要件定義という形で
相手が何を求めているのか?その背景には何があるのか?目指している所はなにか?等々をとことん聞きます。
その上で自社の実績や所有するサービス・自身の知識・経験に基づいて、
お客様のハッピーにつながる、かつ、提供できる最適な解決策を提案するわけです。
今は対顧客、会社間を例として挙げましたが、チーム内でも同じですよね。
上長が成し遂げようとしていること、チームとして目指していることは何か?それを確認した上で、
じゃあこういう作戦で、いつまでに何をやっていこう~となるわけです。
これを人と話さずにできるわけ、無いやろー!

…思わず熱くなってしまいましたが、これが長年SEをやっている私の意見です。
もしかすると、レベル5以上があるのかもですが、
それはこれから探っていきたいですね。
- SEにもコミュニケーション力は必須
- 会話することで、相手がハッピーになれるプレゼント(解決策)を見定める
- 聞く・話す力に加え、専門知識・技術力があって初めて、良い提案ができる
冒頭の話ですが、よーく聞いてみると妹は「人と話すのがイヤ」なのではなくて、
過去に旅行代理店に勤めた際に、年配のお客様が行きたい目的地の地名を知らず、
「○○なんて、若い子は知らないわよね~」と言われたことが、嫌な思い出として残っていたようです。
それって、過去このような経験をした、という事実があるだけで、
イコール「人と話すのがイヤ」とは限らないですよね。
案外、自分自身が本質を見誤っているパターンというのはよくあるような気がしています。
(これは要件を詳しくヒアリングしていると、お客様自身がハッとされることもありますね)
これからも、多くの人にハッピーを届けられるよう、精進していきたいと思います!

最後までお読み頂きありがとうございました!
